紫雀の麻小笥(ムラサキスズメノオゴケ)

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紫雀の麻小笥(ムラサキスズメノオゴケ)はガガイモ科カモメヅル属(ビンケトクシクム属)の多年草である。
分類体系によっては(APG第3版)キョウチクトウ科とされる。
ビンケトクシクム属は世界に107種が分布する。(Catalogue of Life: 2017 Annual Checklist より)
日本にも小葉の鴎蔓(コバノカモメヅル)などが分布し、属名の和名はカモメヅル属という。
本種は舟腹草(フナバラソウ)伊予蔓(イヨカズラ)との交雑種で、三浦半島で発見された。
雀の麻小笥(スズメノオゴケ)というのは伊予蔓(イヨカズラ)の別名である。
「麻小笥(おごけ)」は麻糸を積みためる鉢桶のことで、果実の形をたとえた。
別名を三浦雀の麻小笥(ミウラスズメノオゴケ)という。
草丈は30センチから60センチくらいである。
茎は直立する。
葉は倒卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は5月から6月くらいである。
葉の脇に散形花序(枝先に1つずつ花がつく)を出し、花径5ミリから10ミリくらいの暗い紫色の花をつける。
花冠は5つに裂けて平らに開く。
花の真ん中には副花冠とずい柱(雄しべ・雌しべの集まったもの)がある。
萼片は緑色で5枚である。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
花言葉は「飾らない美」である。
属名の Vincetoxicum はラテン語の「vinco(克服)+toxicum(毒)」からきている。
種小名の purpurascens は「やや紫色がかった」という意味である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Vincetoxicum x purpurascens(syn. Vincetoxicum x vernyi)


★謎多き花の由来を紐解いて
 仄かな明かり差し込む心地

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# by ryudesuyo2 | 2017-06-28 13:27 | 6月の花

舟腹草(フナバラソウ)

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舟腹草(フナバラソウ)はガガイモ科カモメヅル属(ビンケトクシクム属)の多年草である。
分類体系によっては(APG第3版)キョウチクトウ科とされる。
ビンケトクシクム属は世界に107種が分布する。(Catalogue of Life: 2017 Annual Checklist より)
日本にも小葉の鴎蔓(コバノカモメヅル)などが分布し、属名の和名はカモメヅル属という。
本種は北海道から九州にかけて分布し、平地や山地の草地に生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
環境省のレッドリスト(2012)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類に登録されている。
草丈は40センチから80センチくらいである。
葉は卵形で柄があり、向かい合って生える(対生)。
葉の裏面と茎の上部にはビロード状の軟らかい毛がたくさん生える。
開花時期は5月から6月である。
葉の脇に花径12ミリから14ミリくらいの濃い紫色をした花を数輪ずつたくさんつける。
花は数日咲き続ける。
花冠の先が深く5つに裂けて横に平に開く。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
和名の由来は、果実の形を舟腹(舟の胴体部分)にたとえたものである。
根を生薬で白薇(はくび)といい、解熱や利尿の薬効がある。
ただし、毒性もあるので注意が必要である。
属名の Vincetoxicum はラテン語の「vinco(克服)+toxicum(毒)」からきている。
種小名の atratum は「黒変した」という意味である。
なお、Vincetoxicum属をCynanchum属の一部と見なす見解もあり、かつては本種もCynanchum属とされてきたが、Catalogue of Life: 2017 Annual Checklist の表示に従い、このサイトでは今後はVincetoxicum属として表記する。
写真は6月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Vincetoxicum atratum(syn. Cynanchum atratum)


★舟腹の名の面白く花見入る
 人惹きつける昔の名前

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# by ryudesuyo2 | 2017-06-07 10:42 | 6月の花

金柑(キンカン)

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金柑を見つめ越し方ふと偲ぶ

金柑(キンカン)はミカン科ミカン属(キトルス属)の常緑低木である。
キトルス属は分類法によるが160種くらいが東アジアからインドにかけて分布する。
また、多くの栽培品種が作出されている。
日本では「蜜のように甘い柑橘類」の意味でつけられた蜜柑(みかん)の呼称が一般化しており、属名の和名もミカン属という。
本種をキンカン属(Fortunella)とする見解もあるが、YList も Catalogue of Life もこの属名はシノニムの扱いである。
本種の原産地は中国の南部である。
和名は中国名を音読みしたもので、「熟すと果実が金色になる柑橘類」という意味合いである。
中国の商船が遠州灘で遭難して清水港に寄港した際に、船員が地元の人に砂糖漬けの果実をプレゼントし、その種から日本に広まったと言われている。
樹高は1メートルから3メートルくらいである。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は革質で、縁には浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉は上側に反っていることが多い。
春、夏、秋の3回開花し結実する性質がある。
7月と9月、10月に開花するものが多い。
花は香りのよい白色5弁花である。
実は直径2、3センチくらいの球形で、黄橙色に熟する。
古来から風邪にきき喉の痛みをやわらげるとされ、金柑のど飴として知られている。
生で食べたり、ジャムや砂糖煮にして食べたりする。
果皮は果肉より多くのビタミンCを含んでおり、美肌や健康に有効である。
俳句の季語は秋である。
花言葉は「感謝」である。
1月29日の誕生花である。
種小名に japonica がつくのは、イギリス人の植物学者ロバート・フォーチュンさん(Robert Fortune, 1812-1880)が日本で採取したものに命名(Fortunella japonica)したことからきている。
属名の Citrus はギリシャ語の「kitron(箱)」に由来するラテン語で、レモンに対する古い呼び名である。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
花の写真は9月に木場公園で撮った。
実の写真は12月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。
学名:Citrus japonica(syn. Fortunella japonica)


★ゆらゆらと冬の陽射しに揺れながら
 金柑の実はきらり輝き

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# by ryudesuyo2 | 2017-01-30 15:35 | 果実

ストック

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ストックの香りいざなう旅路かな

ストック(stock)はアブラナ科アラセイトウ属(マティオラ属)の一年草である。
マティオラ属は地中海沿岸地方などに48種が分布する。(Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist より)
本種は和名を紫羅欄花(アラセイトウ)といい、属名の和名をアラセイトウ属という。
本種の原産地は南ヨーロッパである。
ストック(stock)の名は英名からきているが、日本でも一般的に用いられ、植物学上は別名の扱いとなっている。
ストックというのは茎のことである。
茎が太く丈夫で真っ直ぐに伸びることからつけられた名である。
栽培の歴史は古く、古代ギリシャ人やローマ人は薬草として栽培していた。
日本へは江戸時代に渡来した。
しかし、園芸用に生産され始めたのは大正以降のことである。
庭植え、鉢植え、切り花などに利用されている。
和名の紫羅欄花(アラセイトウ)は、葉が厚くて毛に覆われている様子を布のラセイタ(ポルトガル語で羅紗に似た地の厚い毛織物)に似ていることからきている。
中国名は紫羅蘭(zi luo lan)で、漢字表記はその影響である。
種をまく時期によって開花期は異なるが、一般には春の花とされている。
草丈は20センチから80センチくらいである。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は10月から3月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、赤、白、ピンク、紫色などの花をつける。
八重咲きと一重咲き(4弁花)とがあり、日本では八重咲きが好まれている。
花には強い香りがある。
花の後にできる実は角果(雌しべの中にある仕切りを残して左右の殻がはがれるもの)だが、八重咲きのものには生殖能力はない。
ブロッコリーやカリフラワーと同じアブラナ科なので食べることもできる。
俳句の季語は春である。
花言葉は「永遠の美しさ」である。
1月27日の誕生花である。
属名の Matthiola はイタリア人の博物学者「マッティオリ((Pietro Andrea Mattioli, 1501-1577)さん」の名からきている。
種小名の incana は「灰白色の柔らかい毛で覆われた」という意味である。
写真は3月に京都府立植物園で撮った。
品種名は上がホワイトアイアン、下がキスミーチェリーである。
学名:Matthiola incana


★すくすくと天をめざして八重に咲く
 ストックの花香りにあふれ
☆鈴なりの香りも高いストックに
 誘われては春も訪れ


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# by ryudesuyo2 | 2017-01-27 12:55 | 1月の花

犬サフラン(イヌサフラン)

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犬サフラン(イヌサフラン)はユリ科イヌサフラン属(コルキクム属)の多年草である。
分類体系によっては(APG第3版)イヌサフラン科とされる。
コルキクム属は地中海沿岸地方や東アフリカ、南アフリカなどに160種くらいが分布する。
本種の原産地はヨーロッパ、西アジア、北アフリカである。
英名はオータムクロッカス(autumn crocus)という。
日本へは明治時代の初期に渡来した。
庭植えにもされるが、机の上に置いておくだけでも花を咲かせる。
和名の由来は、サフランに似ているが食材として役に立たないことからきている(サフランはフランス料理の食材)。
別名をコルチカム(Colchicum)という。
これは、属名を英語風に読んだものである。
草丈は10センチから20センチくらいである。
花の咲くころには葉はなく、翌春になって線形の葉が出てくる。
開花時期は9月から10月である。
花の色は紅紫色、ピンク、白などである。
花径は4センチくらいから大きなものは15センチくらいある。
花被片は6枚である。
クロッカスサフランに似ているが、雄しべの数や形状が異なる。
本種の雄しべは6本である。
多弁化した園芸品種もある。
コルヒチンという有毒なアルカロイドを含み、危険である。
誤食すると呼吸麻痺を起こすこともある。
花言葉は「危険な美しさ」である。
10月19日の誕生花である。
属名の Colchicum は自生地である黒海沿岸の地名「コルキス(Colchis)」からきている。
種小名の autumnale は「秋咲きの」という意味である。
写真は10月につくば植物園で撮った。
学名:Colchicum autumnale


★どことなく妖気を秘めて土の上
 犬サフランの灯す明かりか
☆サフランに似せて咲かせた毒草の
 妖しき姿美しくあり

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# by ryudesuyo2 | 2016-10-19 09:36 | 10月の花